子どもの健やかな成長や幸せを願って、桃の節句には雛人形を、端午の節句には五月人形を飾って祝う日本の伝統行事は、いつまでも大切にしたいものです。
飾る意味や飾り付けの時期などを節句人形アドバイザーの藤原秀光さんに聞きました。

雛人形を飾る意味
雛人形は、病気や災いを移してはらい清める人形(ひとがた)やお人形遊び(ひいな遊び)が起源とされ、女の子の災厄を身代わりとして引き受ける守り神のような意味も込められています。
幸せを運ぶお守りですから、一人に一飾りが基本。
できれば次女、三女にも用意してあげたいものですが、飾るスペースなども限られていると思いますので、市松人形、わらべ人形、つるし雛などを一緒に飾ってあげましょう。
雛人形の飾る時期
一般的には立春を目安にお日柄の良い日を選んで飾りますが、初節句の場合は長く楽しみたいことから早めに飾る方が多いようです。
お披露目する意味でも1月15日を過ぎたら飾り、4月3日まで飾っていただいて構いません。
2年目からは3月3日を過ぎたらしまいましょう。
しまうのは天気の良い乾燥した日を選んでください。
雛人形の飾り方
一般的には向かって左に男雛、右に女雛を飾ります。
結婚式の新郎新婦と同じですね。
京都では向かって右に男雛、左に女雛を並べるので、どちらに飾っても間違いではありません。
また段飾りの場合は、誤って人形や道具を落として傷付けたりすることがないよう上段から飾り付けましょう。
五月人形の種類と飾り方

男の子のたくましく健やかな成長を願って、かぶとやよろいなど室内に飾る内飾りと、こいのぼりやのぼり旗など屋外に設置する外飾りでお祝いするのが一般的です。
よろいかぶとには病気や災厄から身を守るという意味合いが込められ、こいのぼりを立てる風習は中国の故事にちなみ立身出世を祈願しています。
五月人形は魔除けでありお守りですので昔から一人に一飾りが基本。
長男はよろい、次男はかぶと、三男は子供大将の人形を飾るとよいでしょう。
五月人形はインテリアとして楽しめるものも多く、魔除けの意味で一年中出しておいても問題ありません。
「雛祭り、端午の節句はお子さまの成長を願って、ぜひご家族でお祝いをしてあげてください」と、節句人形アドバイザーの藤原秀光さん。
