思い出は美しすぎて〜♪

昨年、実家が引っ越しました。
いよいよ逃げ切れず、幼少よりため込んでいた思い出の品を引き揚げる羽目に。
その中に、大学マンドリンクラブの『回顧録』がありました。
引退に際してクラブ生活を振り返り、学年ごとに編さんする冊子です。
先輩、後輩の代を含め4代分ありました。
個性あふれる手書き文字が、輪転機の気まぐれでかすれたり字がつぶれたり。
改めて読むと、はっとする発見がありました。
容赦のない厳しさで、後輩(のみならず全員?)に女帝のように恐れられていた先輩にも迷いがあったこと。
ひょうひょうとして社交的(特に女性に対して)だった同期の男子が、強い覚悟を秘めていたこと。
ポーカーフェイスで淡々と弾いていた後輩が、本当に何も考えていなかったこと。
そしてまごうかたなく、後輩への愛が世代を超えて確かに引き継がれていました。
図らずも、どの回顧録にもまんべんなく「残念ながら原稿をいただけませんでした」というページが。
「面倒くさい」「回顧している暇はない」など不届きな理由で締め切りを無視したり、突然消息を絶ったり(?)。
これも自由な伝統のなせる業でしょうか。
そのクラブも創立60年を超えました。
現在、コロナ禍で思うように活動できず、辛い日々を強いられていることに胸が痛みます。
我ら卒業生にとって、後輩たちの演奏会はタイムトラベル。麗しい姿とみずみずしい音色は、まるで昔の自分を見るようです(あつかましい!?)。
春に延期になった定期演奏会の成功を祈り、心から応援しています。
(文・絵:尾田美幸)
八王子フィルハーモニー管弦楽団 第61回定期演奏会
2021年 4 月18日・午後2時開演。
オリンパスホール八王子(4月より新しい名称に変更予定)で。
指揮・松岡究。
ブラームス 交響曲第4番、
ウォルトン バレエ組曲「賢い乙女たち」、
ベートーヴェン 「コリオラン」序曲
公式ホームページ http://8-po.net/