明智光秀を主人公にした今年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」でも注目されている戦国時代。
その時代に活躍した戦国武将の中でも、特に人気が高い織田信長。町田市に、信長ゆかりの歴史史料を展示する歴史美術館が開館しました。
安土城天主の復元や歴史資料展示

町田市中町の一見奇抜な建物に、泰巖(たいがん)歴史美術館が、3月に開館。
館名の「泰巖」は信長の戒名に由来しています。1〜5階の約495平方㍍の展示スペースには、一般財団法人太陽コレクション代表の山中泰久さんが約30年以上前から収集した同コレクション所蔵品約600点の中から、テーマごとに約150 点を展示しています。
「信長の生涯」をテーマとする1、2階にかけての吹き抜けには、ほぼ実寸大の安土城の天主閣の五、六層を復元。
「来場者は館内に入ると、すぐに赤と金色で彩られたインパクトある天主閣を見て、びっくりしています」と学芸員の中村亮佑さん。

2階には「日本三大土塀」の一つ、熱田神宮内の信長塀が再現され、信長の功績が身近に感じられます。
3 階は「信長の時代」をテーマに、信長とその一族や豊臣秀吉、明智光秀らの家臣、戦国武将を中心に、江戸時代までの古文書、肖像画等を展示。
麒麟(きりん)の麟の字をかたどったとされる花押が書かれていた信長の書状や、新たに発見されたという武田信玄が信長に宛てた貴重な書状も展示。
4階は「合戦の時代」をテーマに、甲冑や太刀、鉄砲等の武具が整然と並びます。重要文化財の太刀 銘「来国光」も見られ、時代の重みを間近で感じることができます。
5階には「信長と茶の湯」をテーマに、千利休の茶室、待庵が再現され、千利休や織田有楽斎らの茶道具や花器等を展示。

「古文書には現代語訳を付けて分かりやすく紹介しました」と中村さん。今後は3カ月に1回程度を目安に、収蔵品の展示を変更していきたいとのこと。
また5階の狩野元信作「四季花鳥図屏風」や4階の「大坂夏の陣屏風」の模本、1階の狩野永徳作といわれる天瑞寺室中旧障壁画「松図」等、絵画鑑賞もできるのが魅力。
「同館名品図録」3,500円、「大信長展」図録2,300円。
ポストカードも販売予定。