6月1日、与野本町小学校複合施設(愛称・いーよの)内に、与野郷土資料館がオープンしました。与野の原始から近現代までの歴史が分かりやすく展示され、見どころ満載です。

市民と行政が一体となって作った複合施設
与野郷土資料館が入っている複合施設は、与野本町小学校北校舎および給食室の老朽化による建て替えに伴い、計画が5〜6年前にスタート。
市民と行政による複合施設検討委員会が設立され、ワークショップを通じて検討を繰り返してきました。
公募で愛称を「いーよの」に決定。
与野郷土資料館、放課後児童クラブ、子育て支援センターよのからなっています。
体験展示と通史の展示
与野郷土資料館は、「与野をもっと好きになってもらう」「与野にもっと誇りを持ってもらう」ための施設としてオープン。
資料館全体は約430㎡。
このうち第一、第二展示室は合わせて約200㎡。

第一展示室は多世代交流と体験の場として、昔遊びや学校の体験学習を中心とする体験展示。
第二展示室は、与野を中心とする市の西部地区の通史の展示をしています。
展示資料は合わせて約230点。
昨年11月に閉室した旧与野文化財資料室で展示してあったものなどの他、個人所有だった寄託資料もあります。

ジオラマも楽しめる第一展示室
第一展示室は30点の資料を展示。
電車が走るジオラマや、ちゃぶ台や昔の遊び道具が畳敷きで展示されているコーナーや、白黒テレビ、蓄音機など昔の暮らしの展示があり、多世代が楽しめる内容です。

ウルシ製品など南鴻沼遺跡からの貴重な出土品
第二展示室は、約200点を展示。
原始から近現代までの通史が、分かりやすい言葉で、見やすく展示されています。
なかでも南鴻沼遺跡から出土した縄文時代後期のウルシの塗られた櫛や弓は、4000年も前の与野でウルシの栽培から管理までされていたことを伝える貴重な資料。

また、鎌倉時代の正和3年に京都で作られた融通念仏縁起絵巻(複製)には、武蔵国与野郷と書いてあり、「約700年前に京都で与野が知られていたことを示します」と同館学芸員の野尻靖さん。
先進的学問が学ばれていた
また、慶応年間の正野友三郎一門奉納の算額からは、江戸に近かった与野から江戸に学びに行ったり、先進的学問が与野に入って来たりしたことが分かります。
この他文化年間の鈴木荘丹自画自筆文(複製)など、与野に高度な文化が発達していたことを示す資料が多数展示されています。
「分かりやすい言葉でコンパクトに、与野の歴史がわかる展示を心がけています。ぜひ、与野を再認識していただけたら」と野尻さん。