昔懐かしい遊びの一つ、お手玉。
隔世伝承遊びとして祖母から孫へと受け継がれ、その遊びを通して裁縫や正座などの行儀作法も自然と身に付きました。
核家族化が進行する近年では、伝承遊びに触れる機会が減りつつあります。
お手玉遊びの伝承に取り組む、八王子お手玉の会代表の鈴木幸子さんに話を聞きました。

お手玉との出合い
鈴木さんが中心となってボランティア仲間と共に会を立ち上げたのは2004(平成16)年。
子供を取り巻く環境の変化の中で、次世代を担う子供達のために何かできないかと調べていくうちに、日本の伝承遊びであるお手玉が脳の発達に良いことを知り、幼いころに遊んだお手玉の経験を子供達に還元しようと思ったのが始まりです。
その後、日本のお手玉の会という全国組織に加入。
全国の会員たちと交流、お手玉遊びについての知識を深め、知れば知るほどお手玉の面白さ、奥深さを実感しています。

年齢に応じた遊び方ができるのもお手玉の魅力
お手玉遊びは幼児から高齢者まで楽しめ、年齢に応じた遊び方ができるのも魅力。
例えば幼児なら、お手玉を握って指先をたくさん動かしたり、見立て遊びをすることで知能や想像力を伸ばしたり。小学生以上になるとお手玉2〜4個を使い、投げてはつかむ動作をリズミカルに繰り返すことで集中力や瞬時の判断力、動体視力が自然と身に付いたり。
また、姿勢を整えないとできませんのでバランス感覚にもつながります。
お手玉は右脳、左脳、前頭前野を刺激する優れた遊びの一つと言えるのです。
多岐にわたる会の活動
現在、会員は28人。
保育所や学校、高齢者施設などを訪れ、年間約400回以上の伝承活動をしています。
2016年には、かつて八王子で歌われていたお手玉歌の譜面を基にお手玉の遊び方を調べ直し、「八王子のおさらいうた」として復活させ、DVDも作製。
おさらいうたの普及にも取り組んでいます。

「お手玉を教えた子供達が大人になり、次の世代へ伝承してくれるのを期待しています」と鈴木さん。
年に一度の競技会
2月8日午前10時半(開場10時)〜午後3時半、八王子労政会館2階ホールで「第13回八王子お手玉遊び競技大会」を開催。

小学生〜一般の個人戦と小学生5人1チームの団体戦で競います。
ルールは簡単。
投げ玉のお手玉を決められた時間長くできた人が勝ち。
参加無料、見学自由。団体戦のみ2月7日までに鈴木さんへ申し込みを。