所沢市とKADOKAWAが共同で進めている「COOL JAPAN FOREST構想」は、みどり・文化・産業が調和した地域づくり。
5年前から進められてきた同構想の拠点施設となる「ところざわサクラタウン」が今年夏、いよいよオープンします。

日本最大級のポップカルチャー
「ところざわサクラタウン」は、東所沢の旧浄水施設の跡地にあり、東京ドームとほぼ同じ4万平方㍍の敷地に文化・商業・産業施設で構成された日本最大級のポップカルチャーの発信地として期待されています。
サクラタウン内でランドマークとなるのが「角川武蔵野ミュージアム」。
図書館・博物館・美術館が融合し「知」と「遊」が連鎖する「誰も見たことがないミュージアム」がコンセプトです。
隈研吾さん「池に浮遊する巨大な岩のような」
「角川武蔵野ミュージアム」のデザインを手がけたのは、新国立競技場も設計した建築家 隈研吾さん。

「これからは“物質”を見直す時代。木や石の自然素材の建築が人間の心に響く。木の建築は『新国立競技場』で、石の建築がこの『武蔵野ミュージアム』です」と話し、建築美の側面からも話題となりそうです。
使用した石は中国の山東省の山から切り出して輸入したもので、その量は6000平方㍍、1200㌧。
建物は5階建てで岩を多角形に組み合わせたような外観で、東所沢の自然美を生かし、森の中に神々しい巨大な岩の塊が池に浮いているような神秘的なデザインに。
そしてミュージアムの中には高さ約8㍍の巨大本棚に囲まれた「本棚劇場」が設けられ、本棚の組み方も「知」が連鎖し広がるよう工夫されています。

角川武蔵野ミュージアム内の「本棚劇場」イメージ図
令和時代の新しい神社も
「地面や宇宙とつながる文化を示すために神社が必要」と考えた隈さんは、ミュージアム横に「武蔵野坐令和神社」(むさしのにます うるわしきやまとのみやしろ)もデザインしました。
アニメの舞台になった全国88作品の「聖地」を周遊する旅を推進する「アニメツーリズム協会」と連携して、サクラタウンが聖地巡礼“1番札所”となったことから「アニメ神社」として国内外の多くの観光客の参拝が見込まれています。
所沢から世界に発信
「ところざわサクラタウン」は、6月6日から武蔵野ミュージアムの内覧会という位置づけでプレオープン、7月17日にグランドオープン、そして11月からは本格的な美術展も開催予定。
KADOKAWAの試算によると、国内外から年間140〜180万人の来場客を見込んでおり、今年は所沢を世界に発信する第一歩の年となりそうです。