太鼓や笛の音にのせて披露される民謡や獅子舞、おはやし等、大人はもちろん子供でも楽しめる日本の民俗芸能。
自分を魅了した、プロの民俗芸能集団を町田に呼ぼうと立ち上がった中学1年生の男子がいます。

きっかけは障がい児の弟でした
町田市立忠生中学校1年生の阿良山絢人さんは、市内の和太鼓団体きらりに小学2年生から所属。
きっかけは障がい児の弟でした。
他の子と少し違うと理解をしたころから周りを気にして、ふさぎ込むようになった絢人さんと姉を母親が気にかけ、障がいを持った子供や家族も多くいる同団体に参加するように。
太鼓に夢中になり、出会った仲間とも関わりを持つことで、徐々に表情や心もほぐれていきました。
変化は弟の智也さんにも
肢体不自由で歩けなかった2歳のころは、その場に寝ているだけでしたが、太鼓の独特な音やリズムに刺激を受け、ばちを持ち始め、上半身を使って打つように。
さらには立って演奏ができるまでになり、周囲を驚かせました。
そんな中、交流会で長野県に拠点を置く舞台芸能集団 田楽(でんがく)座と出会った絢人さん。
たった5人のメンバーながら太鼓やお祭り芸能の他、全国に伝わる伝統芸能や語り継がれる話を元に創作する楽しい舞台にすっかり魅了されました。

「笑いが込み上げたり、元気がもらえたりしました」。
技術を教えてくれただけでなく、入退院を繰り返す智也さんの事情を知り、病室まで来て手作りの獅子舞いや、ばちをプレゼントしてくれたことも。
「弟の支えになり、自分にも家族にも勇気をくれた」と絢人さん。
来年1月25日に田楽座の町田公演
恩返しをしたいと思い立ち町田公演を成功させようと、実行委員長に立候補しました。
「性格は積極的ではないほう」ですが、周りに助けられながら半年以上入院中の智也さんと再び一緒に太鼓を鳴らす日を思いながら「客席をいっぱいにしたい」とチラシ配りやポスティング、太鼓での街頭宣伝に励みます。
「楽しい気持ちにさせてくれる舞台を1人でも多くの人に見てほしい」と絢人さん。
田楽座の町田公演は和光大学ポプリホール鶴川で来年1月25日の午前11時、午後3時の2回。
大人3,500円、小・中・高校生、障がい者2,000円。当日券は各500円増し。