大人になってからも絵本を楽しんでいますか。
近年、絵本が大人の間でブームです。
所沢市立所沢図書館吾妻分館を訪ね、分館長の宮崎祐美子さんに絵本の魅力について伺いました。

絵本の楽しみ方
少子化を背景にしながらも「絵本ブーム」が起きています。
絵本の楽しみ方には大きく分けて3通りあると図書館司書の宮崎祐美子さんは話します。
1つ目は、子どもや孫への読み聞かせする楽しみ。
絵本は世代を超えて共感を生むコミュニケーションツールになります。
2つ目は子ども自身の楽しみ。
想像力豊かに絵本の物語に入り込み、さまざまな疑似体験ができます。
そして3つ目が、大人の楽しみ方。
絵本は大人の心に癒し作用があるといわれています。
大人と絵本
絵本コーナーに訪れる子連れ女性から聞かれるのは「あ、懐かしい」という言葉。
幼少期に読んでもらった絵本から子ども時代の思い出がよみがえり、ほっこり気分にさせてくれます。
また、子どものころに読んだことのある絵本を読み返していると、子ども時代には気付かなかった言葉の深さやフレーズの美しさに感動し、ほろりと涙することも。
大人は絵本の絵や言葉に自分の経験を重ね合わせ、自分の心と向き合う時間を持つことができます。
良い絵本は、思わず手に取りたくなるような美しい絵や写真で構成され、厳選したやさしい言葉でつづられているので、読むだけでリラックスできるものが多いそうです。
冬にお薦めの絵本3選
所沢図書館では、毎月お薦め児童書コーナーを設けています。
12月はクリスマスコーナーが登場。
その中から吾妻分館に冬にほっこり気分になれる絵本を紹介してもらいました。

1.『ふゆめがっしょうだん』
写真/冨成忠夫・茂木透 文/長新太(福音館書店)
写真絵本で、木の芽の表情が面白く、子どもと会話が弾みそうな一冊。リズムのある文章も魅力。
2.『おへやのなかのおとのほん』
絵/レナード・ワイズガード 文/マーガレット・ワイズ・ブラウン 訳/江國香織(ほるぷ出版)
想像の音が聞こえてきそうな秀逸な文章で、主人公の心情も感じられます。
3.『しんせつなともだち』
絵/村山知義 文/方軼羣 訳/君島久子(福音館書店)
何か人のためにすることの喜びと人への思いやりを感じ、ほっこりした温かな気持ちになれます。
所沢図書館には約32万冊の児童書があり、最寄りの図書館に取り寄せも可能。
また、子ども・親子向けに「おはなし会」も定期的に開催しています。冬に心が温まる絵本探しに最寄りの図書館にでかけてみては。