聴導犬とは耳の不自由な人に前足や鼻先でタッチして、生活に必要な音を伝えるための補助犬。
主に保健所などで保護された犬から適性のある犬が選ばれ、訓練されます。
盲導犬などと違い、小型犬も活躍しています。
八王子市横川町にある日本聴導犬協会東京支部(本部・長野県)で八王子初の聴導犬ユーザーに聞きました。

聴導犬と暮らすとなぜハッピーなの?
聴導犬の大きな役目は2つあり、1つは必要な音と状況を結び付けて、次にすべき行動をユーザーに教えることです。
基本能力は訓練で身に付けますが、ユーザーと暮らす中で犬自身が教える音を増やす例も多いようです。

2つ目は、一緒にいることで特に災害時などユーザーの耳が不自由であることを周囲に知らせ、いち早く避難させることです(聴覚障がい者は外見からその障がいが伝わりにくい)。
ユーザーの横田さんは「2人の休みが違う日に目覚ましが鳴った時、休みである夫は起こさずに、仕事に行く私だけを起こします。教えたわけではないのに、自然に感じ取ってくれたのだと思います」と語ってくれました。
ユーザーと一緒なら聴導犬もハッピー
必要な音を仲間に教えるのは犬の本能であり、聴導犬にとっては「自分が役立っている」と実感できて生きがいを感じるのだとか。
「音を教えてくれる以外は普通のペットと変わりません。甘えてきたり、一緒に遊んだりするうちに深い絆が生まれてくるのを感じます」と金さん。

ユーザーと築く特別な関係が犬の能力を高め、犬にとっても役立てることが最高の喜びとなるようです。
聴導犬は体の一部
聴導犬はユーザーの“耳”。
まさに体の一部なので、いきなり触ったり、犬を驚かせたりしてはなりません。
店舗や施設に対しては、「犬の毛が抜けにくいことや、ほえたりしないよう訓練されていることを理解してほしい」と話すのは日本聴導犬協会会長・有馬もとさん。
「2002年に身体障害者補助犬法が施行されて以来、聴導犬の受け入れ制度は整いましたが、まだまだ道半ばです。
昨年、八王子市の家屋が東京支部に認められたので、八王子を利用してもっとユーザーを増やしたいと思っています。
聴導犬の意義を理解いただけるよう、募金活動や講演、ふれあいイベントなども行っているので、気軽にご参加ください」とも。
活動はHPやツイッターで。