国指定重要無形民俗文化財であり、ユネスコ無形文化遺産に登録された「川越氷川祭の山車行事」が10月19日、20日に開催されます。
時代を超えて伝えられてきた歴史ある祭りの起源である氷川神社の神幸祭を紹介します。

川越総鎮守氷川神社で創建以来毎年行われる祭儀で、一年を通じて最も大きなお祭りが「例大祭(れいたいさい)」です。
毎年10月14日に行われ、大神様への感謝と氏子崇敬のご健勝が祈られます。
この「例大祭」の附け祭りとして行われるのが「神幸祭(じんこうさい)」。
川越藩主・松平信綱公が慶安元年(1648)に総鎮守氷川神社に神輿(みこし)、獅子頭などの祭具を寄進し、祭礼を奨励したことが始まりです。
以来、行われてきた神幸祭が山車行事の起源で、平成17年に国の重要無形民俗文化財に指定されています。

「鎮守である氷川の神様が街なかに出て行かれ、町の様子をご覧になります。
神様が乗った神輿が通ることで地域の人々にご神徳(ごしんとく)をもたらし、人々が喜びをもってお迎えするという意味があります」と同神社。
今年の神幸祭は10月19日に斎行。
神輿に神職、巫女(みこ)などが連なった華麗な神輿行列が同神社を午後1時に出御し、蔵造りの町並みの一番街、大手町、かつて西大手門があった市役所前などへと歩みを進め、午後2時半に還御(かんぎょ)する予定です。
「江戸天下祭の様式を今に映すお祭りです。
先人たちから受け継がれた歴史的な意味、職人の技術を守り続ける“かわごえっこ”の心意気もご覧ください」。
市民の安全と繁栄を願いながら進む神幸祭の行列
神幸祭の神様の神輿は川越城に参入し、城主の出迎えを受けました。
現在は、川越城を川越市役所に、お殿様を川越市長に見立てています。

神幸祭の行列は、文永9年の氷川祭礼絵巻に描かれた姿を再興したもので、氷川神社の神様が総勢100人以上の行列を率いて市民の安全と繁栄を願いながら街中を進んでいきます。
その神幸行列は約100m。
先触れ役として太鼓が先頭、氏子総代、小幡、榊、五色吹流し、社號旗(しゃごうき)、四神旗(ししんき)、猿田彦、獅子、楽人、辛櫃(からびつ)、神職、巫女、神輿(彦神)、(姫神)、神馬、沓持(くつもち)、宮司乗馬、傘持、沓持、斎姫輿(いつきのひめこし)、宰領(さいりょう)と続きます。
江戸時代の街並みを彷彿とさせる一番街通りでは、厳かな雰囲気漂う行列を一直線に見ることができます。