今、グローバル化と共に求められているのが「多様性を受け入れる社会」。
そんな中、障害の有無に関係なく、子どもから高齢者まで一緒に楽しめる「ユニバーサルスポーツ」が注目されています。
その普及に取り組む所沢の市民団体を取材しました。

障がい者も一緒に集える場所づくり
「Enjoy!ユニバーサルスポーツ(旧ユニバーサルスポーツ教室)」では障害の有無や国籍に関係なく、幼児から90代までの多世代が集まって一緒にシャフルボードとボッチャを練習し、年1回大会を開催しています。
代表を務めるのは鮎川雄一さん。
所沢には日本で有数の「国立障害者リハビリテーションセンター」があることから、パラスポーツの広報と選手の応援の輪を広げる活動をしていた鮎川さんは「選手以外の障がい者でも地域で集える場が必要なのでは」と感じ、「ユニバーサルスポーツ教室」を企画。
「所沢市こどもと福祉の未来館」のオープンと同時に教室をスタートさせました。

参加延べ人数は約1000人
初回は関係者中心に10 人ほどの集まりでしたが、回を重ねるごとに口コミで参加者が増え、子連れ家族、高齢者、障がい者など多様な人たちが集う場に成長。
開催から3年目に突入した現在までの参加延べ人数は約1000人に上り、所沢市も第2次地域福祉計画の「相互理解・共生の推進」としてその活動を応援しています。
毎月最終日曜に開催
同団体では毎月、シャフルボードとボッチャの両方の練習会を行っています。
鮎川さんは「ユニバーサルスポーツの中でもシャフルボードはルールも分かりやすく、限りなく誰でも一緒にプレイできます。また初めて会った人同士でもチームを組んですぐに結束しやすく、相互理解や共生の意識を育みやすい競技です」と説明しています。
練習会は、毎月最終日曜(12月は第3日曜)の午前9時15分〜午後0時45分(受付は8時45分から)、所沢市こどもと福祉の未来館で開催。
参加費は大人500円、小学生以下100円(保険代含む)。室内シューズ持参で動きやすい服装で気軽に参加を。詳細は鮎川さんへ。

◆ボッチャとは
ヨーロッパで考案されたスポーツで、パラリンピックの正式種目。ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、赤・青それぞれ6 球ずつのカラーボールを投げたり、転がしたり、他のボールに当てたりして、いかに近づけるかを競う競技。

◆シャフルボードとは
2チームがコートの先方の得点領域に向かって、ディスク(円盤)をキュー(棒)で押して滑らせて得点エリアに入れ、合計点を競い合うスポーツ。豪華客船の甲板で楽しまれていたものを改良して19世紀にアメリカで広まり、今では世界各国で国際大会が開催されているニュースポーツ。