「鼓童ワン・アース・ツアー2019『道』」が5月24日午後6時半、たましんRISURUホール大ホールと5月25日午後6時埼玉会館大ホールで開催。
演出を担当する船橋裕一郎さんに同舞台にかける思いを伺いました。

HPに“古典ともいえる舞台の中から「型」を抽出し鼓童のDNAを次代へと受け継ぐ”とありますがそれはどのような「型」ですか
今回の『道』は、長年培ってきた演目や構成を基調としています。
2012年から4年間、歌舞伎俳優・坂東玉三郎氏を芸術監督にむかえ、新しく斬新な舞台も行ってきた中で、自分たちが“軸”としていくものは何なのかというものを考えるようになりました。
若い人たちがどんどん入り、その中でメンバーも入れ替わり何をもってして「型」として伝えたら伝わるのであろうか。
奥底にあるものを自分たちも探していくことで「型」を伝えていくと、脈々と鼓童というものが続いていくのではないかと考えます。具体的にこれというものは、これから探し続けて行こうと思っています。

『道』という舞台を通して引き続き、探し求めていくということですか?
そうですね。そして、自分たちの中での演目や流れを続けていくことだけが「伝統を守る」ことではないと思っていて、新しいものをどんどん作り出していくのが本道だと思っています。
でも新しいものに挑戦するには”軸“や”芯“をきちんと持っていないといけないということがよく分かりました。

軸とは、たとえばどういうものですか?
太鼓の音に対する追求が大事だと思います。
打てば響く、すごくシンプルな楽器ですが、同じ音ってなかなかないんですよね。同じ太鼓でも打つ人が違えば当然音色も変わりますし、楽器自体がとてもアナログです。
木をくり貫いて動物の皮をはってという。生えている木、牛、それぞれに個性があるので、同じように作っても全く同じ音にはなりません。
そこにとても魅力を感じますし、また皆で音を一つに合わせていく、そこからどういった響きや音楽が生まれていくか、シンプルなものだけに追求しがいがあるなと思っています。
何より、お客様に喜んでいただける音を追求していくことが大切だと思っております。ぜひ劇場に体感しに来ていただきたいです。