20年以上オリジナルの人形作りをしている田中美和子さんによる「工房わらべ人形展」が、2月1日〜4日午前11時〜午後4時に田中さんの自宅兼工房で開催されます。
あどけない、あるいはユーモラスな表情の手作り人形たちが、癒やしの空間でにこやかに迎えてくれます。

田中さんが人形を作り始めたのは子育てが終わり50歳を過ぎたころ。
子どもたちが着ていた思い出の詰まった服や着物を「このまま捨ててはもったいない」と感じたことがきっかけでした。
元々物作りが好きだった田中さんは、骨董市をまわってさまざまな人と出会い、本を読んでイメージを膨らませ、オリジナルの人形作りを始めました。
桃や花や赤ちゃんのほか、おしゃれな猫や鎧兜など多彩なオリジナルアイテムが連なるつるし飾り。

白いハマグリに挟まった小さな赤ちゃんは子授かりを、豚はお金がたまるように…と、願いを込めたオリジナルデザインも多く、古い布をすてきな縁起ものに生まれ変わらせています。
「かわいらしいものを見て育った子は心の優しい子に育つのでは。子どもに夢を与え、心を育てる気持ちで作っています」と田中さん。
また、トイレットペーパーの芯をリサイクルした優しい表情の「貯蓄地蔵」も人気です。

胴の部分に芯を使い、華やかな柄の生地をまとわせ、顔は外せるようになっていて、中にお金を入れて貯金箱にしたり、手紙を入れてプレゼントしたりできます。
これを考案した当初は、ふるさと・宮城県の北上川のほとりにいる母にお金と手紙を入れてプレゼントしていた田中さん。
しかし、ふるさとの集落も小学校も生家も東日本大震災の大津波に飲み込まれ、跡形もなく流されてしまいました。
母も弟も親戚も犠牲になり、心を痛める日々が続いたそうです。

しかし「とおりゃんせ、かごめかごめ、汽車ぽっぽと言った幼いころの思い出を作品にすることで、悲しみを癒やしに変えることができました」と田中さん。

田中さんは、予約制で3〜5人のグループに正午〜午後4時の間の3時間ほど、人形作りを教えています。
コーヒー付き、材料費込で1人2,000円。
「手作りに興味がある方はお気軽に」と話しています。