その人に合った車いすを届けたい

社内工房での車いす制作の様子。先代を受け継いで今年で15年、3代目社長の北島伸高さん

高齢化社会が進む中、車いす利用者を身近で目にすることも多くなりました。八王子市小門町にあるケイアイは80年以上にわたり車いすを作り続けています。先代を受け継いで今年で15年、3代目社長の北島伸高さんに同社が作った日本初の車いすや最新の車いすについて聞きました。

社内工房での車いす製作の様子。細かな調整が欠かせない

―2016年に創業80年を迎えたそうですが、昭和初期に作られたという日本初の車いすについて教えてください。

「弊社のルーツは、1936年(昭和11年)に医療機器メーカーとして創立された北島商会です。この北島商会が軍人療養所に納入した車いすが、後に〝箱根式車いす〞と呼ばれる日本で最初の車いすだと言われています」。

日本初の車いす「箱根式車いす」はシンプルな作りで、重量感がありそう

創業以来長い歴史がありますが、転機はありましたか?

「2000年の介護保険法の施行ですね。制度施行後はそれまで顧客の大部分を占めていた高齢者の方が既製品車いすのレンタル市場に一気に流れてしまいました。当然、弊社の生産台数は激減しました。そこですぐにレンタル、販売事業に参入し、使う方のさまざまなニーズに応えられるようになったと思います」。

「お客さまの声から新しいものが生まれる時もあります」とケイアイ社長の北島伸高さん

―依頼の中で多い要望はどのようなものですか?

「体の状態や目的が違うのでさまざまです。軽くて折り畳める車いすは外出時などには便利です。一方で、多くの時間を車いすの上で過ごす方は必要な機能を備えつつ、座り心地が良く、気に入ったデザインにしたいという要望があります」。

―印象に残るオーダーはありますか?

「事故で頚椎(けいつい)を損傷した大学生からの依頼で、舌の動きだけで操作できる車いすを作ったことがあります。小さなお子さんからの依頼も多いのですが、車いすのおかげで遊園地に行けたなど、その後のお知らせをいただくと本当に良かったなと思います」。 その人の〝足となる〞車いすですが、移動手段としてだけでなく、自分に合ったものを使うことで暮らしがより豊かになり、夢が叶う機会も増えていくのではないでしょうか。

車輪カバーに人気キャラクターをつけたオーダー品。どんな子が使うのだろうか
株式会社ケイアイ
住所/東京都八王子市小門町85-2
電話/042-622-7266
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