芸術としての音楽、その奥深さを伝えたい

ピアニストとして国内外で活躍する傍ら、さいたま市や東京都港区で児童から大人まで、門下生の指導に熱心に取り組む植 […]

公開日:2018/08/31 901 view
ピアニストとして国内外で活躍する傍ら、さいたま市や東京都港区で児童から大人まで、門下生の指導に熱心に取り組む植原晴子さん。音楽への思いや次世代に伝えたいことをうかがいました。

さいたま市のピアニスト・植原晴子さん

植原晴子さん

植原さんは小さいころからピアノに親しみ、国立音楽大学付属中学、高校を経て同大学へ進学。在学中の82年から遠藤郁子、稲川佳奈子の両氏に自ら志願して師事。そこで習ったのは、手首は手首、指は指…と、別の機能であることや、手の力を抜いて、なめらかに次の動きへ移る一連の流れでした。メロディーと伴奏の音量は5対5ではなく、7対3とも。「力を抜いた動きを身に着けるのは難しかった。4年間教えていただき、少しずつ習得していきました」と植原さん。

さらに大学卒業の時に日仏音楽協会主催ポワティエ夏期音楽大学に参加し、校長であるピエール・バルビゼ氏の演奏に衝撃を受けます。バルビゼ氏が奏でる音は、大きく全体に被さってくる〝響きの世界〞。東洋にはない西洋の音を本格的に体験しました。

90年には室井摩耶子氏に師事。指の自然な丸みを活かし、「腕の力を全く入れずに弾くのが本当のピアニスト」との指導を受け、新たな気持ちでピアノに向かい始めます。「自分の個性を出すことに苦労しました」と振り返ります。

91年、奨学金を得てドイツへ留学。ドイツ国立エッセンフォルクヴァング芸術大学院でルトガー・マクスザイン教授のもと研鑽を積み、93年同大学院マスターコース修了。西洋と東洋の演奏法の違いをマスターし、「西洋の音が被さってくるような〝響き〞を日本の中で次世代に伝えていければ。響きを持つ人を一人でも増やしたい」と決意します。

植原さんと門下生

帰国後始めた教室の門下生の中には、弁護士や医学の研究者も。「譜面がすぐに読めて、難しい曲もこなす、能力の高い方たちです。しかし、音楽は芸術であり、天井がありません。感性で弾く部分をどこまでやっていくかが課題です」と一人ひとりに真摯に向き合っています。

集中力が比較的続きにくい小さい生徒には、「親御さんの協力がある程度必要です。ピアノを弾く時間を毎日作ってあげるとうまくいきますよ」とも。レッスンでも、「秘められた可能性を伸ばしたい」と、気持ちが入るタイミングづくりを大切にしているそうです。

また、毎年門下生とのコンサートも開催。いつもよりグレードの高い曲に挑戦し、人前で弾くことで緊張感とやる気が起き、上達につながります。「指の太さ、骨、柔らかさ等持っているものは皆違います。その中で最大限の美しい音楽を奏でられるようにしたい。そして音楽の奥深さや表現方法を次世代に伝えるために、自分の音も追求していきたい」と話しています。

問い合わせはキジコ企画(電048・664・1068)へ。

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